過激派を一斉摘発 資金調達に銀行強盗 7人射殺、13人逮捕 国家警察

 国家警察対テロ特殊部隊(デンスス88)は8日から9日にかけ、ジャカルタや西ジャワ州バンドン、バンテン州チプタット、中部ジャワ州バタン、クンダル、クブメンで過激派組織の隠れ家を一斉摘発し、抵抗した反テロ法違反容疑の被疑者7人を射殺、13人を逮捕した。各地で過激派の同時掃討作戦を展開したのは初めて。警察は、中部スラウェシ州ポソや昨年首都圏などで摘発した組織と関係があるとみて捜査を進めている。
 対テロ特殊部隊は8日午前11時半ごろ、バンドン県マルガアシの民家を包囲。潜伏していた4人と撃ち合いになり、3人が撃たれて死亡、1人が投降した。4時間にわたる銃撃戦は民間テレビ局が生中継した。
 同県チパチンの民家では1人を逮捕、拳銃や銃弾280発を押収した。バンテン州南タンゲラン市チプタットやポンドックアレンの民家でも1人ずつ拘束した。
 ポソで起きた一連のテロ事件に関与し、犯行グループに資金を提供していたとみられるリーダー格の1人、アブ・ロバン容疑者は中部ジャワ州バタンで射殺された。同州クンダル、クブメンでも一味を逮捕した。
 クブメンの銃撃戦は8日夜から翌朝まで約10時間に及んだ。隠れ家の入口には地雷が敷設され、手りゅう弾も仕掛けられていたという。特殊部隊は潜伏していた7人のうち3人を射殺、4人を逮捕し、パイプ型爆弾2本やライフルなどを押収した。
 ボイ・ラフリ・アマル報道局長は9日、中部ジャワやランプンなど各地の国営ラクヤット・インドネシア銀行(BRI)支店で続発していた強盗事件は、今回摘発した過激派組織がテロ資金を調達するために起こしたものだったと指摘。その金額は合計18億ルピア(約1800万円)に上るとした。
 この組織は、華人商店が多数入居する西ジャカルタのショッピングモール「パサール・グロドック」の放火を計画。アブ容疑者は昨年9月、グロドック近くのタンボラの民家で摘発された爆弾製造や強盗などに関与していたと指摘した。
 ジャカルタでは2日、中央ジャカルタ・メンテンのミャンマー大使館への爆弾テロを計画していたとして、インドネシア人2人が逮捕されたが、今回摘発されたグループとの関係は明らかになっていない。(配島克彦)

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